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【中信エリア④】長野県の「酒」と「文化」――城下町の流儀とは④

こんにちは!さんぽくんです。

この連載コラムでは、長野県のエリアごとに、お酒の魅力と酒屋さんの楽しみ方などを酒屋さんにインタビューする形式でご紹介します!
エリアごとのお酒の歴史、観光のヒントなんかも知れちゃいます。

このコラムを読めば、酒屋さんによく人も、行ったことがない人も酒屋さんに行きたくなること間違いなしです!

今回のコラムは中信(松本)エリア「三代澤酒店」の福澤さんにインタビューの4回目です。

連綿と続く酒文化を次世代へ イベント通じて来県のきっかけに

――今後の展望などについて聞かせてください。

松本の酒店は老舗が多いですが、「もう自分の子どもには継がせたくない」と言って、お父ちゃんお母ちゃんの代でたたむケースがほとんどなんです。新しく免許が下りているのはコンビニとか。けれどもやっぱり酒店の存在も、今の松本を作ってきた文化の一つ。だからこそやっぱり守っていかないといけないし、伝えていかないといけないと思っています。

 そのためには正直に誠実に、本当に地元のお客さんに愛してもらって、支えてもらって――という、持ちつ持たれつの関係で続けていける酒店であることが大事です。

 次世代がいる酒店は若い世代が精力的に頑張っていらっしゃるケースも多いと感じています。地元の同業者で競合関係なのかもしれないけれど、そういう思いを持った次世代の担い手とはしっかり繋がっていきたいし、情報交換しながら松本の酒文化を守って伝えていかないといけないと思います。今残っていて元気がいい酒店は後継者がある程度いて、個性的なラインナップを揃えながら「お店の強み」を出してきている印象があります。

そもそも「自分の店だけよければいい」というスタンスであれば、別にここで商売しなくても、通販だけでもやっておけばいいと思うんです。でもやっぱり地元でやらせてもらっている以上は、みんながやっぱりそういう思いを共有しながら繋いでいきたいですよね。

 自分自身もビールが気になるので、大手メーカーの缶ビールを買うことがあります。コンビニに行くと豊富な品揃えで並んでいるので、自分は酒屋だけど、正直缶ビールはコンビニでいろんな限定品とかを買うわけですよ。そういう使い方の酒店さんも必要だし、我々のような酒店は「地元のものが欲しい」とか「プレゼントにしたい」とか「ちょっと今日はいいお酒を飲みたい」とか、そういうときに使ってもらえればいいなと。そういう住み分けができればいいと思います。

――そうした中で11月18日、東京ミッドタウン八重洲で「信州のIPPON! 〜長野県の日本酒&ワインと出会う1日〜」が初めて開催されます。どんな思いや期待がありますか?

大消費地の首都圏で紹介するというのはやはり、大勢の人に長野県のお酒を知ってもらう機会にはなると思います。ただ一番は、そこで知ってもらって「やっぱり現地に行ってみよう」と思って来てくれることが何よりも大切ではないかと個人的には思っています。結局のところ東京で飲むのであれば、今の時代はあれもこれもほとんどが苦労せず手に入るわけです。「今はこれがトレンドだからとりあえず飲む」「次はこれが有名だから飲む」というように、流行を追っていく飲み方ももちろんあります。ただ、「ちょっと気になったところがあるから、そこをもっと追求してみたい」という人はその地方に出てきてくれる傾向もあります。だからこそ消費するためだけのきっかけではなく、長野県という地域に興味を持ってもらうきっかけになることが大切だと思います。

 昨今はコロナ禍でこうしたイベントも開けず、お酒の場そのものも大幅に減ってしまう時期がありました。もちろん止むを得ない状況ですし、その中で模索して私もオンラインのイベントをいろいろ仕掛けました。事前にお酒のセットを送って画面越しに乾杯して、お酒の説明をしたりして…というような。でも最初の1〜2回は楽しいんですけど、やっぱり味気ないものです。今回のイベントは宴席の場ではありませんが、一堂に会するさまざまなお酒を知って、味わって、深めていってもらえればうれしいです。

【11/18(土)開催】「信州のIPPON! 〜長野県の日本酒&ワインと出会う1日〜」

今回インタビューさせていただいたのは「三代澤酒店」福澤様でした。
ありがとうございました!

三代澤酒店
〒390-0874
長野県松本市大手4丁目9−11

TEL:0263-32-1525
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