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【中信エリア③】長野県の「酒」と「文化」――城下町の流儀とは③

こんにちは!さんぽくんです。

この連載コラムでは、長野県のエリアごとに、お酒の魅力と酒屋さんの楽しみ方などを酒屋さんにインタビューする形式でご紹介します!
エリアごとのお酒の歴史、観光のヒントなんかも知れちゃいます。

このコラムを読めば、酒屋さんによく人も、行ったことがない人も酒屋さんに行きたくなること間違いなしです!

今回のコラムは中信(松本)エリア「三代澤酒店」の福澤さんにインタビューの3回目です。

松本城のお膝元で創業100年 「歴史」と「人」をつなぐ営み

――松本の地で酒店を営み始めた時期や、歴史などを教えて下さい。

1924年の創業で、来年で100周年を迎えます。もともとは造り酒屋で、市内の少し離れた場所で酒蔵を営んでいました。次男である私の曽祖父が小売部門の立ち上げを任されて立地を調べ、「冬の雪の降った日に街を巡って、足跡が一番多かった」というこの場所に店を構えることを決めたと聞いています。それが初代で、私で4代目になります。

 私が店を継ぐのは特に当たり前とは思っていませんでした。私は中学校を卒業してから高専に進んで、完全に理系でしたし(笑)。でも、歴史のあるお店を「お前の代で潰した」と言われるのもどうしたものかな…という気もしたので。学生時代から通販部門を手がけていたりして、2006年に継ぎました。

 その後の2011年に店舗を改装しました。もともと曽祖父がここに店を構えるとき、明治時代の民宿かお宿のような建物をそのまま使ったと聞いています。松本城にほど近いこの場所で商売を始めた歴史も含めて、そこは残していきたいと考えています。

蔵造りでおしゃれな店内

 「街のお酒屋さん」が増えることはほぼなく、減る一方。なかなか厳しい世界だとは思っていたんですけど、生き残ればそれが強みになる――とも考えていました。嗜好品であるお酒というものの存在がなくなることは絶対にないだろうし、それならいかに自分の舞台でお客さまの心をつかめるかが大事ではないかと考えました。

 周りの酒店を見回しても、こだわりを持って何十年、何百年とやってきているお店があります。それはやはり地域に必要とされている証拠ですし、それぞれが「地域になくてはならない」というプライドを持ってやってきた結果でもあるだろうと思います。とはいえ普通のお酒だけを売っているとなかなか厳しいと思うので、いかに付加価値をつけられるか。要はお客さんとお話しながらおすすめしていくことができるか。そういう酒店が既に主流になっていると思います。

 「酒嫌いの酒屋の方が味がよくわかる」と言われますが、自分はついつい飲んでしまうタイプ。それでも我々は酒についてはその道のプロだと自負していますし、真面目に酒を利くようなときは酒に向き合っています。

――お客さまにおすすめしていくに当たっては、どんな部分を心がけていますか?

あまりベタベタせず、最初は「よかったら声かけてくださいね」くらいの感じです。個人的にお店に行ってそうされるのは苦手なタイプなので(笑)。

 ただ日本酒で言うと、「淡麗辛口のお酒が欲しい」とおっしゃるお客さんがとても多いのに対して、長野や松本の酒は旨口や味わいのある酒がほとんど。そのため、「長野のお酒はそういう部分ではない良さがある」ということを必ず一言二言、添えるようにはしています。辛口をリクエストしたお客さんにも中口とか旨口をおすすめしたり、地域によって味わいが変わるということをお知らせして広めている状況でもあります。

 個人的にはキリッとしてサラッとした辛口よりも、しっかり味がある松本周辺のお酒をゆっくり飲むのはとても美味しいと思うんですけど。「とりあえずビール」じゃないですが、「日本酒なら辛口」みたいな流れがあるのかもしれませんね。

 今はお客さんも詳しい方が多くいらっしゃいます。そういう方に対しての対応と、初心者の方に伝える方法はやっぱり違うと思います。結局のところ、お酒は嗜好品。もちろん日頃から試飲などを通じて、酒そのものを知る努力はしています。ただ「これは」と思っておすすめしても、相手が100%それを受け入れられるわけではありません。自分なりに酒を解釈して「こんなお酒ですよ、でも合わなかったらごめんなさい」というスタンスの説明にはなります。

酒屋さんのプライドを、お酒を通して、お店で感じられるって贅沢でうれしい体験ですよね。
福澤さんおすすめの日本酒をもっと知りたくなっちゃいました!

【中信エリア④】へ続きます!