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【東信エリア②】長野県の「酒」と「文化」――浅間山麓の新たな熱源②

こんにちは!さんぽくんです。

この連載コラムでは、長野県のエリアごとに、お酒の魅力と酒屋さんの楽しみ方などを酒屋さんにインタビューする形式でご紹介します!
エリアごとのお酒の歴史、観光のヒントなんかも知れちゃいます。

このコラムを読めば、酒屋さんによく人も、行ったことがない人も酒屋さんに行きたくなること間違いなしです!

今回のコラムは東信(上田)エリア「地酒屋宮島」の宮島さんにインタビューの2回目です。

小規模ワイナリーが続々創業 クラフトビールなども含めた「宝の山」

――ワイン造りも盛んです。「千曲川ワインバレー」について教えてください。

エッセイスト・画家の玉村豊男さんの活動がきっかけとなったプロジェクトです。1991年に東部町(現・東御市)に移住し、翌年にワイン用のブドウの苗を植えたことからスタートしました。その後でヴィラデストワイナリーを設立し、著書で提言した「千曲川ワインバレー構想」が実現への道を辿っていきます。農林水産省など行政の協力も得ながら、かなりのスピード感で広がっていきました。今では「アルカンヴィーニュ」といって、醸造家の卵を育てる学校まであるんです。東御はこの20年で、本当にワインの一大産地に変貌しました。

 東御は降雨量が全国的にも少ないのも有名ですね。もともとはワイン用のブドウというよりは巨峰、ナイヤガラ、コンコードなど食用ブドウやクルミの名産地でした。要はそうした作物に適していた土地だという側面もあります。

 千曲川ワインバレーの特徴は、「マイクロワイナリー」と呼ばれる超小規模なワイナリーさんが点在していることでしょう。ご夫婦とか、ともすると1人で経営しているところもあって、それぞれが個性を打ち出しています。

 ただ、生産量が少ないのもそうですが、経験値がまだ少なくて樹齢も若い。だからこそ、これから先の何年間かが勝負になってくるでしょう。もともと長野県内でワインが有名な中信地方の塩尻や安曇野は、もう樹齢100年とかの老舗のワイナリーさんが何軒もあって経験値は豊富。新進気鋭のワイナリーさんがどんどん集まって、ものすごい勢いで増えているのは素晴らしいことに間違いありません。その中で話題を作りながら、それぞれのブランドを作っていってくれるとうれしいですね。

――東信地方といえば、「日本酒とワイン」が代表的なんですね?

それだけではありません。東御市はそこにクラフトビールもあります。「オラホビール」は1996年に誕生していて、全国的に見てもクラフトビールの先駆け的な存在です。さらに最近は上田市内に2カ所、クラフトビールの醸造場が新たにできました。お客さんとすると、この地域で楽しめるツールが増えたと思います。

 さらに小諸、御代田、軽井沢には今ウイスキー工場も建ち始めています。ウイスキーは蒸留してすぐ飲めるお酒ではないので、オーク樽に貯蔵して、それが商品として出てくるのが10年後なのか20年後なのか。ウイスキーというお酒の特性を踏まえて価値を考えると、今から蒸留して樽に詰まって10〜20年後に出てくるファーストヴィンテージは、おそらく100万円を下らない値段がつくのではないでしょうか。そういう夢を売れる時代にお酒は入っていると思います。こうやって見ていくと、東信エリアって実は、「宝の山」なんです。

――知識が非常に豊富ですが、それを酒店の接客にも生かしているのでしょうか?

もともと地元が大好き、長野県が大好きでこの店をやっています。あとはお酒が好きだし、お酒を通じてのコミュニケーションが大好きです。昔は「酒なら何でもいい」みたいな感じでしたけど、今は本当に美味しいお酒でいい時間を過ごすコミュニケーションにすごく価値を感じているので、そのためのお酒をどんどん提供していきたいと思っています。

 地酒は「対話商品」という位置付けをしていて、対話の中で味のお好みをお聞きして「こういうお酒はどうでしょう」とお勧めするようにしています。もちろん特定の銘柄目的のお客さんもいますが、そうではなくて「あの店で信州のお酒を選んでもらおう」という目的の方に広く来ていただいています。

日本酒だけでなく、東信エリアにおけるワインやウイスキーの可能性を
教えてもらうことができました!
地酒は「対話商品」。
宮島さんはお酒に関する資格を多数取得されていて、お話がとても面白いんです。
【東信エリア③】へ続きます!