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【南信エリア③】長野県の「酒」と「文化」――支え合って醸し出す酒文化③

こんにちは!さんぽくんです。

この連載コラムでは、長野県のエリアごとに、お酒の魅力と酒屋さんの楽しみ方などを酒屋さんにインタビューする形式でご紹介します!
エリアごとのお酒の歴史、観光のヒントなんかも知れちゃいます。

このコラムを読めば、酒屋さんによく人も、行ったことがない人も酒屋さんに行きたくなること間違いなしです!

今回のコラムは南信(伊那)エリア「酒文化いたや」の中村さんにインタビューの3回目です。

酒屋と酒の場に共通するもの 人と人を繋ぐ

――親しみやすいポップが特徴的ですが、すべて書いているのでしょうか?

全部手で書いています。だんだん慣れてうまく書けるようになりました。ポップというか、ただ筆ペンで書いただけですけどね。お酒の種類も当初はとにかく品揃えをしなければと思い、県外のお酒をたくさん入れていました。地元の酒蔵さんや生産者の方との交流をしていくうちに、地酒や生産者さんのことをお客様にきちんと説明ができるようになったんです。そこから「いつでも地元のお酒が手に入るように」と思うようになりました。それは酒屋の先輩方が頑張っているところを見て「自分も頑張らなければ」と勉強した部分もあります。だから、お酒を飲んでみて感じたことや蔵元さんの顔を思い出したりして、一枚一枚思いつくことをポップに書いています。

手描きのPOPが添えられています。

――接客で意識していることはありますか。

お客様の話をよく聞くことですね。どのようなシチュエーションで飲むのか、誰と飲むのか、家用なのか、どこかに持っていくものなのか。それぞれお酒も用途が違います。お酒はその場所によって主役にもなれば脇役にもなるものですから、買ってくださる方に失敗してほしくない。お酒を選ぶことは非常に神経を使います。お客さまからあとになって「美味しかった」とか「褒められた」という言葉を聞くと、非常に励みになります。

――初めてお酒を買いに来る方にはどのように楽しんでほしいですか。

 実は一番難しいと思うのが「おすすめのお酒はどれですか」と聞かれることです。私もお酒は好きで飲みますが、その日その日で「これだ」と思うお酒は違います。「この間飲んだこういうお酒が美味しかったんだけど、今日はどういうのを飲んだらいいか」と聞いてくれればいいですが、私の一番のおすすめを聞かれても実は困ってしまう(笑)。

私の好きなものが他の人にとって美味しいかがわかりませんからね。そこからお客さまに話を聞いて、色々なことを引きだしていきます。それは楽しいところですね。

――接客をしていて感じることはありますか。

いつも私が思うことは、「作る人には勝てない」ということです。料理人の人もそうですけどね。物を作り出す人はすごいと思います。
酒蔵があったらそこで作るお酒、例えば信濃錦だったらそれしか売っていないんです。それで生計を立てるんだからすごいと思います。私はそれを瓶に詰めてもらったものを売っているだけ。それなのに酒蔵さんに「もっと数が欲しいです」と注文を付けることもあるわけで…申し訳ないと思うことがありますね。ただ、作る人と買う人、飲む人をつなぐ役割として、しっかりお酒を選ぼうと思います。

――お酒のがもたらすものはなんだと感じていますか。

 コロナの関係もあってしばらくお酒の会ができない時期がありましたが、やはりお酒は必要なものだと私は思います。昔は上司と部下がお酒を飲んでコミュニケーションを取ることもありましたが、それとはまた別で。人と人を結び付けるツールといいますか。お酒を飲むということで集まれば、そこには料理がある。場所と人が集まって空間と時間を共にする。その潤滑油になりえるものがお酒だと思います。やっぱり切っても切り離せない部分はありますね。改めて人を繋ぐものとして必要だと思いました。

お客様には、お酒選びで失敗せず、本当に美味しいと感じるものを選んでいただきたい、という思いが伝わってくるお話でした。
お店を訪れれば、手描きのPOPや、想像以上のお酒の数々からもその思いを感じることができるはずです。

「作る人と買う人を繋ぐ役割として、しっかりお酒を選ぶ。」
酒屋さんって本当にかっこいい!

【南信エリア④】へ続きます!